SAYURI SAYURI USHIO Artist Statement
髪には命がある。そして、命あるものには心がある。世に存在する全てのものに命がある。またはあった。よって、全てが 愛おしい。
私は今までずっと髪の表情を見てきた。喜び、悲しみ、怒り、、、。
髪に語り、髪の声を聴き、髪の心を感じ、髪の温度を自分に伝えた。
私の作品は、命ある髪の揺らぎである。
地球上の土から生えた森の木々が、風にざわめくように、
人体の頭から、植物のように生える髪が、風にざわめく姿にときめきを感じる。
それは、命があるからである。
切花が、その瞬間に、朽ち枯れてゆくように、
髪は切ると、その髪は大切な女性の命から、汚いものに変容する。
生体と、屍体である。
そう、植物と、髪は同じなのである。
また、人間という動物も同じである。
ずっと美容師をしていて、私は毎日いっぱい髪を食べた。
ヘアサロンでカットしていると、切れた髪が飛んで、口に入っていったのだ。
口から髪が永遠に出てくる夢をよく見た。
口から出てくる髪を、手でひっぱっり出しても、ひっぱり出しても、髪は喉から永遠につながってでてくる。
今となれば、私自身は、すでに髪でできているのかもしれない。
髪も人間も アミノ酸とミネラル、そして水分でできているので、それは決して不思議ではない。
しかし、それは単に夢だけで、決して食べた髪を口から出したことはない。
ということは、髪も植物と同じように食べれるものなのだ。
命を食べて、私たちは命をもらっている。
この身体は、全て命から作られている。
髪、爪、肌、内臓、眼、全てが、何からできているのか、、、
そして、髪のように切って死んだら、それはどうなるのか。。。
せめて髪が生きているうちは 生き生きと揺らぎ、髪が喜ぶように、デザインしたい。
追伸
私は子供の頃、漫画の主人公に憧れ漫画家を夢見ていた。 一方、私は頭も顔も大きく、しかも髪がくせ毛で硬く、自分の髪が大嫌いで、美容室で髪を切って帰ってきても、泣きながら自分で髪を切っていた。
時は流れ、私は美容師になった。しかし夢見ていたアニメのヘアスタイルは、従来のカットでは、どうしても実現できなかった。どんな顔型にでも似合い、どのような髪質でも自由に動き、自由にデザインする理想のヘアスタイルのために、STEP BONE CUTは誕生した。
《EXHIBITION》 2018年8月8日(水) – 8月11日(土) 11:00 – 19:00
⻄洋⼈のような⽴体的な⾻格をつくり、より似合わせ⼩顔をつくる特許取得済みのSTEP BONE CUT(⼩顔補正⽴体カット)
は、ブロックごとにフォルムを作り上げていくカット技法で、レザーも削ぎも⼊れず、軽い質感に仕上がります。 平⾯的な⾻格を⽴体的な⼩顔に⾒せ、⿐を⾼く引き締まった顔⽴ちにし、⽇本⼈に多い絶壁と⾔われる平⾯的な後頭部に出っ張りを持たせ、⽿の後ろからうなじにかけてタイトに引き締めます。 ⾻格をきれいに⾒せることで、顔が⼩さく、⾸が⻑く⾒え、全体のバランスが良くなります。 また、削がずに髪が軽くなるので、髪が傷まずにバサバサしないキレイな質感に仕上がるとともに、髪が⾃由に揺れ動くのが特徴です。
SAYURI USHIO
STEP BONE CUTの発案創始者、ヘアメイクアーティスト、写真家。
ヘアサロンTICK-TOCK等7店舗を展開。ニューヨークを拠点に、アーティスト活動と講師活動を⾏う。2011年には「STEP BONE CUT ACADEMY」を開校し、⽇本全国、NY、上海、台湾、ジャカルタなどですでに700店舗の美容室が、このヘアカット技術を取り⼊れている。
また、欧⽶から集まる世界最⼤級のNYの美容展⽰会「INTERNATIONAL BEAUTY SHOW」の
登壇者に選ばれるなど、世界をまたにかけた活動をしている。また、旅先で出会った様々な国籍の⼥性のヘアメイク写真集を含めたART PHOTO BOOK「For Japanese Hairdressers〜⽇本の美容師たちへ」を出版、世界6カ国13都市で発売された。NY、台湾では写真展を開催、「 MILBON PHOTO COLLECTION」でグランプリをW受賞するなど、写真家としても活躍。